TEA STAND GEN TAMATE / 茶立玄 山手 什器製作
6月24日に尾道のお茶屋さん「TEA STAND GEN」さんの2号店「TEA STAND GEN TAMATE / 茶立玄 山手」がオープンしました。
土井木工で新店舗のお盆の製作とソファの張り替えをさせていただきました。
店舗は尾道ならではの、古民家リノベーション。
設計は尾道に新しくできた展望台を設計したAS(旧名:青木淳建築計画事務所)から独立された「プフ建築 / puf studio」代表の石原愛美さん。
石原さんは展望台の設計担当をされており、ASでの最後の担当物件で、完成後に尾道の街並みに魅了され尾道に移住し建築事務所を創業されました。
そしてこの度の「TEA STAND GEN TAMATE」の設計が独立後初めての処女作となるようです。
「TEA STAND GEN TAMATE」の店主は、ALL ABOUT TEA 株式会社 CCO「高橋玄機」さん。
世羅町でお茶を栽培されており、お茶農家として広島の茶畑の再生、無肥料・無農薬のお茶栽培、製造者としては茶葉の加工、製造、伝え手として直営店「TEA STAND GEN」の運営をされています。
オープンにあたってCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施し、見事目標達成されました!
製作させていただいたお盆は「センの木」の一枚板を削り出して製作いたしました。
GENさんにも原木の状態で見ていただき、ここから削り出します!と一緒にマーキングしました。
節があったり割れがあったり、板によってはお盆が一枚しか取れない板もありました。自然のものですねー。
お盆もプフ設計の石原さんのデザインです。
お盆は畳に台が置かれているのですが、尾道港の船を結ぶロープをお茶で染めて再利用したものが巻かれています。
2階にはこの台がアートのように置かれているので、お盆をのせていただくスタイルになっています。
自分の好きな居場所を見つけてととのってみてください。
1Fは丸太をくり抜いて作られた臼を再利用してサイドテーブルになっています。ちょうどのサイズ感です!
リノベーション前の写真です。GENさんがこの物件を探されていた際、ソファが3台そのままにされていました。
一度このソファを見に行かせていただいたのですが、全会一致で残そうとなりました。
そしてGENさんのご提案で、備後絣をファブリックにしてソファを再生しました↓
土壁と絣。どちらも自然の素材で優しい空間になりました。
土壁と漆喰壁にはお茶の葉がブレンドされているようです。
石原さんと左官職人さんが、お茶の葉をブレンドするように、漆喰とお茶の葉の粉末をブレンドし
ほんのり緑色の漆喰を完成させました。何種類も配合を考えブレンドした唯一無二の漆喰です。
これほどまでに丁寧に作られた漆喰の壁は初めて見ました。
土壁にはほうじ茶の葉がブレンドされています。
こちらはお茶の葉の粉末ではなく、葉の形がある程度わかる大きさでブレンドされています。
こちらも試作品も何度も繰り返し作られている模様がわかります。
オープン初日に2Fでいただいた初お茶は鹿児島の「山口園」さんの「あさのか玉露」
山口園さつま町で有機栽培を32年前から始められたパイオニア。
20日間太陽に当てずに栽培する玉露は、栽培も製茶もとても難しいようです。
お茶と言えば静岡を連想されますが、今ではなんと鹿児島のお茶のレベルが凄いようです。
先日も鹿児島に出張して車からふと覗くと、道沿いにお茶がたくさん栽培されていました。
続いて1Fでは冷たいお茶をいただきました。
こちらは中国地方で栽培されるお茶の飲み比べです。
まずは岡山県美作市の小林芳香園さんの。なんと1862年からお茶作りをされています。
いただいたのは在来美作番茶。美作番茶は宮本武蔵も飲んだであろう幻のお茶と伝えられているそうです。
夏の暑い日にお茶の枝ごと刈り取り、一度煮て炎天下で天日干しを施し、乾いた茶葉にまた煮汁をかけて照りをつけます。
コーヒーを飲んでいるかのような深みがありました。
もう一杯は鳥取県大山町で40年お茶を作られている橋井さんの「べにひかり」から作られた「鳥取べにひかり和紅茶」です。
べにひかりは幻の品種と呼ばれており、アッサム種の血が入っています。通常の和紅茶とは異なり、キリッとした香りが特徴です。
和紅茶なるもの初めて堪能しました。
そのほか沢山の厳選されたお茶があったのですが、また次回の楽しみにしておきます!
抹茶のラテが超絶美味しそうでしたー!ぜひ次はいただきたいと思います!
皆様もぜひ尾道に行かれる際はTEA STAND GENさんへお越しください!